LVJCC Blog

ラスベガス日本人教会  砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を

19299.jpg
今日はノートルダム清心学園理事長・渡辺和子シスターの講和からお送りいたします。

56年くらい前の国連の事務総長でダグ・ハマーショルドという方がおられました。氏は有能な外交官であったと共に、敬虔なクリスチャンで深い祈りの人でした。1961年コンゴに赴く途中、飛行機事故でお亡くなりになりました。その時、携えていた本はトマス・ア・ケンピスの「キリストにならいて」1冊だけだったといわれています。

一年の終わりまた新しい年を始めるにあたって、私はいつもハマーショルド氏の日記を思い出します。氏は英語で「Markings」日本語で「道しるべ」と訳されている日記を遺して世を去りました。1953年ハマーショルド氏が国連の事務総長に任命された年の初めに書いている言葉を思い出します。「夜は近きにあり。過ぎ去ったものはありがとう、来たらんとするものにはよし」この「よし」と言う言葉は、英語の「YES-はい」という言葉です。人生の中で遭遇する数々の楽しいこと、嬉しかったこと、辛かったこと、苦しかったこと、災難も不幸も全てに対して「ありがとう」と言える自分でありたいと思います。また、これから起こる全ての事もすべて神の御手を通ってくること、したがってあらかじめ「はい」とそれを頂く事ができる自分でもありたいと思います。

私は30歳間際で修道会に入り、一人だけボストンにある大きな修道院に送られました。そこでは100名以上の修道女達が修道者になる前の修行をしており、20代前半の人達と共同生活を送りました。アメリカに着いたのが4月でしたが8ヶ月ほどたった12月末、私たちには3日間の自分を振り返る日が与えられていました。1目は感謝の日、2日目は反省の日、sおして3日目は新しい年への決意の日でした。1日目の朝はやく修練長は私たちに「Count your blessings-祝福を数えあげなさい」とアドバイスをくださいました。

長くて辛い船旅のあげく慣れない生活に入って色々な失敗をして叱られ、また慣れない食事、習慣、たった一人の日本人のさびしさ、それらの中で過ごした8ヶ月に何を感謝することがあるのだろう、と思っていた私がふと気がついたのは、「祝福を数える」のではなく、「祝福として数える」ことでした。この考えがそれから4年に及ぶアメリカ生活とその後の私の生活を支えてくれました。

この世の中には無駄はありません。無駄にしてはいけないのです。すべてのことに意味があり、また意味あらしめないといけません。どんな辛いことも自分の成長の糧として生きること、失ったものを追い求めるのではなく、得たものに目を向けて生きていう事を習いました。

「来たらんとすることにはよし」と言ったハマーショルド氏でしたが、国連の事務総長としてくるであろう様々な難題を前に、心が臆したこと萎えたこともきっとあっただろうと思います。その時、ハマーショルド氏を支えたのは、おそらく聖書の中にある「神さまは力に余る試練を決してお与えにならない」という御言葉でした。「試練にはそれに耐えられるように逃れる道を備えてくださる」という優しい神様の御言葉であろうかと思います。さらにハマーショルド氏の心に去来したのは、イエス様はご受難を迎える前夜、ゲッセマネの園でもだえ苦しみながら御父に捧げた祈りだったのかもしれません。「アバー父よ、あなたは何でもおできになります。どうぞこの杯を取り除いてください。しかし、私の思いのままではなく、御心のままに」という苦難を前にしてのイエス様の祈り、唱え終わって自分を待ち受けている、辛い人々からの嘲り、裏切り、十字架につけられるまでの人々から受ける苦しみに向かって「よし」と立ち上がって、ゲッセマネの園をお発ちになりました。

自分の苦しみ、願いを父なる神に率直に言い表し、しかも「私の思いではなく御心のままに」とおっしゃったイエス様の態度こそハマーショルド氏が難しい年に向かって「来たらんとするものにはよし」とおっしゃった言葉の背後にあったのだと思います。

ハマーショルド氏は「夜は近きにあり」と言う言葉を残しています。この言葉は「道しるべ」の中で何度も記している言葉ですハマーショルド氏にとって夜は、死を意味していたのかもしれません。絶えず死を身近に感じて生きていたのかもしれません。だからこそ、一つ一つのことに感謝し、それがたとえ辛いことであろうと、あらかじめ「よし、いただきます」ということができ、また言いたかったのだと思います。事実、氏は56歳の若さで飛行機事故で突然、神様の御許に召されました。1956年の日記に次のような言葉があります。

「理解する心の静けさを通じて、行動する心の静けさから出発して、勝ち取る心の静けさのうちに」
私たちも夜は近きにあります。このことを忘れず、自分自身との対話、神との対話によって得られる心の静けさの中で過ごしていきたいと願います。

(LVJCCブログ制作チーム:KAO)

ブログランキングに参加しています。クリックで応援をお願いいたします。
2015.03.08 19:26 | 信仰者シリーズ
| ホーム |

FC2Ad

当教会は福音的プロテスタント教会です 統一協会(世界基督教統一神霊協会)やエホバの証人(ものみの塔)、モルモン教でお困りの方はご相談ください

当ブログへのリンクや画像・文章等の転載については事前にご連絡ください

新改訳聖書(c)新改訳聖書刊行会

新共同訳聖書(c)共同訳聖書実行委員会 Executive Committee of The Common Bible Translation

(c)日本聖書協会 Japan Bible Society , Tokyo 1987,1988

口語訳聖書(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1954,1955

Copyright (c) 2008-2013 LVJCC Blog All Rights Reserved.