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ラスベガス日本人教会  砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を

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今日はノートルダム清心学園理事長・渡辺和子先生の講和『天との契約』をお送りします。

ビクター・フランクルという方がいました。ユダヤ系であったため、第二次対戦中はナチスに捕らえられ、アウスビッシュやダッハウスの収容所に入れられ、九死に一生を得て生還した方です。再び自由になったときフランクは、自分の収容所体験から多くの本を著し、また「ロゴセラピー」という心理療法をあみだしました。これは人はお金や権力、快楽などで生きるのではなく、人を生かすのは意味があること、人が自分の生きることに意味を見出せるときにはどんな状況におかれていても生きていくことができる、ということを説いた療法です。

ロゴセラピーのひとつの例としてこんな話があります。ある仲の良い夫婦がおりましたが、妻が先立ってしまいました。夫は身もなく世もなく嘆き、どれだけ慰めても悲嘆を癒すことができません。そこで人々はこの夫をフランクルのところに連れていきました。フランクルは夫の嘆きを聞き、姿を見て言ったそうです。「あなたは奥様の死を悲しんでいるが、では、いっそあなたが先に死んだらよかったですね。」それを聞いて夫が言いました。「そんなことはできません。私の最愛の妻にいま私が通っているような苦しみを味わわせることはできません。」それを聞いてフランクが「では、あなたはいま奥様の代わりに苦しんでいるのではないですか」と言いました。その時はじめてこの夫は理解し「もし私が先に死んでいた時の妻の苦しみや嘆きを今、私が代わって苦しんでいるのですね。」と晴れやかな気分で帰ったそうです。

この人にとって苦しみがなくなったわけではありません。苦しみでなくなったのです。私達は生きている間、苦しみをなくすことはできません。しかし苦しみでなくすことは私たちの自由にかかっています。実は私もフランクルに助けてもらったことがあります。修道院に入ってアメリカに派遣され、学位をとる為に勉強をしていたとき、フランクルの著作集が課題として与えられました。その中に聞きなれない言葉を見つけました。それは「天との契約」という言葉でした。収容所の中で人々は自由を奪われ、人間の極限状態に置かれ、毎日毎夜、死の恐怖にさらされていました。

そんな状況の中、一人の収容者がフランクルに語ったのは、自分の最愛の母親のために生きなければならないと決心し、天と契約を結ぶことを思いついたという事です。もし自分が死ななければならない運命にあるとしたら、それは母親に生きながらえることを贈る事になるという契約です。そしてもし死まで自分が苦悩を忍べば忍ぶほど、母親はそれだけ苦しみの少ない死を迎えることができるのだ、と天と契約を結んで戦争が終わるまで生きながらえたそうです。この箇所を図書館で読んで、私もこの天との契約を使って、生きようと気づきました。

30歳まで一般社会で働きながら、母と二人で水入らずで暮らしていましたが、制限年齢の30歳間際で兄嫁に母を託して修道院に入りました。44歳のときに私を生んだ母でしたから私がアメリカに派遣された頃には、80歳近かったと思います。アメリカにおりましても母のことがいつも心にありました。天との契約といぁう言葉を見つけたときに、「あぁそうだ」と思いました。「神様、私は喜んで笑顔で辛い言葉を聞きますから、どうぞ今日一日、母が辛い言葉を聞かなくてすむようにしてやってください。食卓に口に合わない物が出てきたときに気取られぬよう喜んでいただきます。ですから神様どうぞ母の食卓に一品でいいですから母の口に合う物を出してやってください」

はたしてこの天との契約のおかげで、母が辛い言葉を聞かずにすんだか、食卓に好きなものが乗ったかわかりません。しかし私に生きる力と勇気と母のために何かできる喜びを与えてくれました。天との契約は聖パウロがテサロニケの信徒に贈った言葉「いつも喜びを忘れずにいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」という言葉を助けてくれるものではないかと思います。

パウロが言った「喜び」は、志望大学に合格した喜びでもなければ、宝くじにあたった喜びでもなければ、思い通りに物事が運んだ喜びをさしたものでもないと思います。それはちょうど十字架の上でキリストが苦しんで死んだそのキリストの死と苦しみのために復活の喜びが与えられた。苦しみを通し死を通しての喜びだと思います。

「絶えず祈りなさい」学生達は携帯電話を握り締めて、いつも誰かとつながっていたい、メールが返ってきているだろうかと気にしています。私たちも天との契約を結ぶことによって、抜き差しならないつながりを、自分の生活一コマ一コマとして神との間につくります。それが「絶えず祈っている」ことに該当するのではないかと思います。

私たちも毎日の生活の中で、天との契約を結びながら生きていきたいと思います。

(LVJCCブログ制作チーム:Kao)

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2014.10.26 19:55 | 信仰者シリーズ
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