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ラスベガス日本人教会  砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を

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ベー・チェチョルさんは1969年韓国に生まれ、ソウルの漢陽(ハニャン)大学を卒業後、イタリアのヴェルディ音楽院を修了し、直ちにヨーロッパ各地の声楽コンクールで優勝を重ねデビューを果たし、ハンガリー国立歌劇場、トリノ市立歌劇場などで大きな成功を収めました。チェチョルさんは世界的にも貴重な「リリコ・スピント」の声質(100年に一人しか出てこない声の持ち主と言われている)を持ち、日本には2003年の9月にオーチャードホールにて行われたヴェルディ「イル・トロバトーレ」で初登場、衝撃的な日本デビューを華々しく飾ったのです。その後もオペラ歌手として大活躍をし、「アジアのオペラ史上最高のテノール」と称されていました。

しかし、2005年10月。ドイツザールブリュッケン国立オペラ団シーズン開幕作である「ドン・カルロ」主人公で舞台に上がった際に、音がどんどん沈んでいきました。すぐに診察を受けると、甲状腺がんの診断を受け、翌月に手術台に上がったのです。がん組織を取りながら、声帯と横隔膜の両神経を切断する手術となりました。さらには、右肺機能が麻痺し、もはや歌を歌うことができない状態になったのです。その時の事をチェチョルさんは「長い時間、歌だけを見つめて生きてきた最高の価値が一瞬で消えた」と目頭を赤くし話しておられます。

栄光から一気に失望のどん底に突き落とされたチェチョルさんでしたが、決して絶望に留まり続けることなく、この自分の試練にも必ず神様の何らかの計画があること、そして神様がきっと奇跡を起こしてくださることを信じて、世界的にあまり例のない「甲状軟骨形成」という声帯機能回復手術を受けることを決心されました。しかし、お医者さんの診断は予想以上に厳しいもので、「過度に期待しないで下さい。」と水を差されるような状態でした。局所麻酔をした後、声を出しながら手術。それはまるで、ピアノとバイオリンを調整するような手術です。チェチョルは「その時賛美歌を歌った。その日以来、第2声が上がった」と回想しています。手術は無事に成功しましたが、手術後のリハビリ訓練にも試練がありました。声を出すことができないため筆談で会話をし、少しずつだけれども、声が出せるようになり、リハビリを続けて行く中で、徐々にまた歌が歌えるようになっていきました。しかし、声帯が切断されてしまっていることには変わりがなく、元々歌えた状態の30%くらいしか、どうしても出せません。

手術から約1年たったある日、回復の途上であっても、チェチョルさんは今まで自分を支えてくれた教会の人たちの前で再び歌おうと決心します。最初の歌い出しは好調な感じであったのに、途中でだんだんと声が出なくなり、それとともに涙が自然に流れてきてしまうチェチョルさん。そのチェチョルさんの歌を支えるかのように、教会の人たちが静かに一緒に歌い出し、その歌の輪はどんどん大きくなり会堂いっぱいに響き渡っていきました。本の中で、彼はこの時のことを振り返ってこう言っています。「病む前は、私は歌のうまい人の一人でしかなかったけれども、しかし今は、人々に何らかのメッセージを伝えられる立場になったのかもしれない。」

チェチョルさんの闘病をひたすら祈り支えた奥様は当時を振り返りこう語っておられます。「私は神に祈る中で「どうしてですか」と何度も文句を言いました。~中略~泣きながら祈る中で、ある時、「私の霊よ、静まれ」という言葉が突然心の中に響きました。そのとき、悟ったのです。私がいくら神に突っかかっても、神は自分の計画を進めるのだと。」

2年以上かかり、声を出す方法を習ったチェチョルさんはは、徐々に高音が良くなって2008年10月にアルバムを出しました。声帯を失った手術から約3年後の2008年前半より教会などで演奏を再開。12月には歴史的と言えるCD「輝く日を仰ぐとき」の録音と同時に奇跡とも言える舞台復帰を果たしました。その時にチェチョルさんは「病気になってよかった。大事なものを手に入れたような気がする」という言葉を残されました。力強い張りのある以前の歌声とはまた違って、「神様から与えられた新しい歌声」が心の中に染み渡り、何かに守られている安心感を与えてくれる歌をどうぞ皆様もお聞きください。ベー・チェチョル『涙流れるままに』

(LVJCCブログ制作チーム:Kao)

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2014.01.12 21:14 | 信仰者シリーズ
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