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ラスベガス日本人教会  砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を

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「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。 
ヨハネ15:13」


「塩狩峠」は三浦綾子さんの小説のひとつですが、この小説の主人公・永野信夫には原型のモデルがおられました。「塩狩峠」について三浦綾子さんはこのように語っておられます。

この小説で私は犠牲について考えてみたいと思っている。現代にはいろいろと欠けたものが多い。愛、しかり。節、しかり。犠牲にいたっては、現代人の辞書にはもうこの言葉は失われているかのように、私は思われる。「人の犠牲になるなんていやだ」とか、「そんな犠牲的な精神はつまらないわ」というように、犠牲という言葉につづいて否定の言葉が用いられているのが、みられる程度ではないだろうか。

三浦さんがテーマにされた「犠牲」はどこまでも聖書が示している「神への捧げもの」としての犠牲であることを思います。そして、この犠牲は自らの命を捨てて、人間の罪のために、永遠の犠牲になった十字架のイエス・キリストが、そこにはっきりとさし示されています。

小説「塩狩峠」の中で主人公の永野信夫は犠牲の死を遂げられますが、主人公のモデルとなった長野政雄氏は真実に人命救助のために、犠牲の死を遂げられました方でした。三浦さんは旭川六条教会を通して長野氏の信仰人生を知り、深く激しく感動し、小説の構成をはじめらたほどでした。

鉄道員であった長野氏は庶務主任の職についておられましたが、洋服などはほとんど新調しないで、また非常に粗食であり、お弁当のお菜なども、大豆の煮たものを壷の中に入れておき、一週間でも十日でもその大豆ばかりを食べていたと言います。かと言って、物惜しみするような人物ではなく、氏は故郷の母に生活費を送り、その外に教会には常に多額の献金をしていました。日露戦争の功により、金六十円(今の七十万円位)が与えられた時、氏はこれをそっくりそのまま旭川キリスト教青年会の基本金に献じました。

長野氏が信仰に熱心だったことは、その教会の各集会のすべてに出席したという一事でもわかります。しかもその集会の往復には、計画的にその道を考え、必ず人々を教会に誘ったとのことです。また、しばしば自費で各地に伝道し、鉄道キリスト教青年会を組織されました。その話は火のように激しかったと伝えられています。

しかし氏は、教会だけに熱心であったのではなく、職場においても、まことに優秀な職員でした。氏の在職中、運輸事務所長は幾度か代わりましたが何れの所長にも得難い人物として深く信頼されました。「ある所長は、後人の所長に『旭川には長野というクリスチャンの庶務主任あり。これに一任せば、余事顧慮するを要せず』とさえ言われていたと伝えられている」氏は上司だけに信頼されていただけでなく、いかなる部下をもよく指導し信頼を得ていた人物だったのです。

氏が所属していた六条教会の兄弟は氏のことを「君は愛の権化と言いて可なり」と言い表しています。信仰に燃え、勇気があり、神の愛を人々に与えていた長野氏は人生の最後の時に、最も大きな愛を残されました。

明治四十二年二月二十八日、列車は塩狩峠の上り急勾配を進行中、突然分離し、最後部の客車が急速度で元の峠の方に逆走する中、乗客は脱線転覆はまぬかれまいと全員救いを求め叫ぶ有様で車内は騒然とする大混乱でした。その時、その車両に同乗していた長野氏は客車のデッキにハンドブレーキの装置があるのを見ると、ただちにデッキに出て、ブレーキを力一杯締め付けたのです。客車の速度は緩み、徐行程度になりましたが、この先の勾配でまた加速をすると判断した長野氏は、自分の身を線上に投げ出し、そこへ列車が乗りかかり、長野氏は下敷きとなり、列車は完全に停止をし、乗客全員の無事が守られました。長野氏が線路にとびこむ寸前、うしろを振り向きうなずいて別れの合図をしたのを目撃した乗客がありました。

長野氏の犠牲の死は、鉄道、教会等の関係者はもちろんのこと、一般町民も氏の最後に心を打たれ、感動してやみませんでした。長野氏の殉教直後、旭川・札幌で何十人もの人々が洗礼を受けたのです。この出来事から百年以上の歳月が流れていますが、長野氏の信仰の火は今も燃え続けています。

長野氏は新年ごとに遺言を書き改めては、肌身離さず持っていました。氏が天に召されたのは30歳ですが、最後遺言にあった言葉です。

「余は諸兄姉が、余の永眠によりて、天父(神)に近づき、感謝の真義を味あわれんことを祈る」

長野氏はもっとも大事なご自身の「命」を捧げました。今日の生活の中で、私は神に何をお捧げできるでしょうか。神は捧げる心のあるものに、神の栄光のあらわれる機会を、御心にしたがって与えてくださる事を思います。

(LVJCCブログ制作チーム:Kao)

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2015.12.28 00:00 | 信仰者シリーズ
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