聖書の終末預言(その6)
ヨーロッパ再統一の兆し
新約聖書の最後の書は「ヨハネの黙示録」と呼ばれるもので、終末に関する、特に患難時代に関する預言がその中心です。それによると、やがて世界は7年間の患難時代を迎えることになっています。またその7年間を挟むようにして、世界はキリストの空中再臨と地上再臨という驚くべき出来事を経験します。
このヨハネの黙示録の解き明かしは、旧約聖書にある終末預言と照らし合わせることにより更に鮮明になりますが、特にダニエル書やエゼキエル書の終末預言は黙示録の解き明かしをする際に欠かすことのできないものです。これらの書物を合わせて見ることで、終末時代の全貌が明らかになるのです。
たとえば、ダニエル書の2章には、バビロンのネブカデネザル王の見た夢とダニエルによる夢の解き明しが記されています。
ダニエルは王の前で、王の見た夢を次にように明らかにしました。
「王さま。あなたは一つの大きな像をご覧になりました。見よ。その像は巨大で、その輝きは常ならず、それがあなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。その像は、頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土に満ちました。」(ダニエル書2:31-35)
ダニエルは続けて、王の見た巨大な像が何を意味しているのかを明らかにします。
「王の王である王さま。天の神はあなたに国と権威と力と光栄とを賜い、また人の子ら、野の獣、空の鳥がどこに住んでいても、これをことごとく治めるようにあなたの手に与えられました。あなたはあの金の頭です。あなたの後に、あなたより劣るもう一つの国が起こります。次に青銅の第三の国が起こって、全土を治めるようになります。第四の国は鉄のように強い国です。鉄はすべてのものを打ち砕いて粉々にするからです。その国は鉄が打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしまいます。(ダニエル書2:37-40)
ネブカデネザルが見た夢は大きな人間の像の形をしていて、それはバビロン帝国から始まり、のちにイスラエルを支配するようになる四つの帝国を表わしていました。
第一の帝国は、金の頭が象徴する帝国、つまりバビロン帝国です。当時、バビロンの神は「金の神」と呼ばれており、バビロンの至る所で金がふんだんに用いられていました。まさに金はバビロンの象徴でした。
第二の帝国は、銀の胸と腕に象徴される帝国、つまりメド・ペルシャ帝国です。メド・ペルシャは、BC539年にバビロンを滅ぼし世界を支配する帝国になりました。この帝国を表す像の部位には二本の腕が含まれています。これらの二本の腕は、この帝国がメディア人とペルシャ人による連合国となることを意味していました。
第三の帝国は、青銅に象徴される帝国、つまりギリシャ帝国です。この帝国については「全土を治める」と預言されていましたが、アレクサンダー大王は遠征を繰り返し、前の二つの帝国よりもさらに多くの地域を支配しました。また、この帝国が青銅に象徴されるように、ギリシャ軍の武器に使用されていた金属は青銅でした。
第四の帝国は、鉄に象徴される帝国、つまりローマ帝国です。鉄は、金・銀・銅に比べて最も硬度の強い金属で、ローマ帝国はまさにそのような強さを持つ国でした。それまでの帝国が支配したあらゆる地域を支配し、AC70年にはエルサレムを没落させました。
「あなたがご覧になった足と足の指は、その一部が陶器師の粘土、一部が鉄でしたが、それは分裂した国のことです。その国には鉄の強さがあるでしょうが、あなたがご覧になったように、その鉄はどろどろの粘土と混じり合っているのです。」(ダニエル書2:41)
これはローマ帝国後の世界です。ダニエルは「分裂した」と言っていますが、その通りにローマは紀元395年、西ローマと東ローマに分裂しました。その後、西ローマは476年まで続き、西ヨーロッパのさまざまな国々においてその影響が見られます。東ローマは1453年まで続きましたが、その影響はロシアに移り、ローマ帝国主義の伝統が受け継がれました。それがソ連になり、共産主義を通して勢力を拡大し、ソ連崩壊後もロシアはかつての強国の地位を得ようとしています。
「その足の指が一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。鉄とどろどろの粘土が混じり合っているのをあなたがご覧になったように、それらは人間の種によって、互いに混じり合うでしょう。しかし鉄が粘土と混じり合わないように、それらが互いに団結することはありません。」(ダニエル書2:42-43)
この最後の帝国は「復興ローマ帝国」であり、終末時代はその人間の形をした像のつま先の部分に当たるとされていますが、その時代の詳細が書かれたものが「ヨハネの黙示録」です。
「また私は見た。海から一匹の獣が上って来た。これには十本の角と七つの頭とがあった。その角には十の冠があり、その頭には神をけがす名があった。私の見たその獣は、ひょうに似ており、足は熊の足のようで、口はししの口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と位と大きな権威とを与えた。」(ヨハネの黙示録13章1-2節)
この海から上って来る獣は、ひょう、熊、ししに似ており、10本の角がついています。この獣の姿は、ダニエル書7章に書かれた第四の獣と同じものであることが分かります。バビロン、メド・ペルシャ、ギリシャの三つの帝国をルーツに持つローマ帝国が、復興ローマ帝国の形で再び現れるというのです。
ダニエルの預言によると、この帝国は「一部が強く、一部がもろく、人間の種によって混じり合う」と書かれています。まさに今のヨーロッパの現状の通りです。これはまさに時のしるしです。
ヨーロッパはEUとなり、通貨統合を果たし、国境を廃止し、大統領制になり、統一を目指しています。しかし、いまだに一致団結は出来ていません。なぜなら、EUにはドイツのような強国もあれば、イタリアのような経済的問題を抱えた弱い国もあるからです。イギリスのEU離脱もEUの団結と逆行するもので、まさに預言通りの状況です。また最近は、中東からの難民が流れ込み、人種の混じ合いで、さらに一致ができない状態になっています。
しかし、現在のEUがこの復興ローマ帝国になるとは言えません。なぜなら、十人の王(十本の角)がまだ現れていないからです。この十人の王(角)とは、実際に十人の支配者かもしれませんし、十の国、あるいは組織かも知れません。しかし、その10人の王が現れた時、ローマ帝国が復興し、それが大患難時代の幕開けとなるのです。現在のヨーロッパの情勢は、まさにその舞台の準備段階だと言えます。これも時のしるしです。
2018年5月、マクロン仏大統領がヨーロッパ連合軍を作る構想を打ち出しました。それは奇しくも10カ国からなる連合軍です。世界情勢から目を離せない時代になってきました。
「この王たちの時代に、天の神は一つの国を起こされます。その国は永遠に滅ぼされることがなく、その国は他の民に渡されず、かえってこれらの国々をことごとく打ち砕いて、絶滅しています。しかし、この国は永遠に立ち続けます。あなたがご覧になったとおり、一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と青銅と粘土と銀と金を打ち砕いたのは、大いなる神が、これから後に起こることを王に知らされたのです。その夢は正夢で、その解き明かしも確かです。」(ダニエル書2:44-45)
ここに示された第五の王国は、永遠に世界を支配する王国です。この王国を示す石は、人手によらずに切り出され、像の足を打って粉砕し、大きな山となって全地に広がり、永遠に世界を治めます。つまり、この王国は神の権威によって起こる王国で、その王国の支配者はイエス・キリストです。やがてキリストが再びこの世に来られる時、地上の全ての人を裁き、その後、正義と平和によってこの世を支配されます。これが、像の幻における第五の王国の意味するところです。
今日の一言: 終末預言は必ず成就する
鶴田健次
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患難時代の前兆(その5)
エゼキエル書38章 の預言(2)
前回の患難時代の前兆(その4)で、終末が近づくと、ロシアとイランとトルコとリビアとスーダンが同盟を組み、ロシアがリーダーとなってイスラエルに攻めるというエゼキエルの預言を紹介しました。
では、何故これらの国々はイスラエルを攻めるのでしょうか? その動機をエゼキエルは次のように預言しました。
「神である主はこう仰せられる。その日には、あなたの心にさまざまな思いが浮かぶ。あなたは悪巧みを設け、こう言おう。『私は城壁のない町々の国に攻め上り」、安心して住んでいる平和な国に侵入しよう。彼らはみな、城壁もかんぬきも門もない所に住んでいる。』あなたは物を分捕り、獲物をかすめ奪い、今は人の住むようになった廃墟や、国々から集められ、その国の中心に住み、家畜と財産を持っている民に向かって、あなたの腕力をふるおうとする。シェバやデダンやタルシシュの商人たち、およびそのすべての若い獅子たちは、あなたに聞こう。『あなたは物を分捕るために来たのか。獲物をかすめ奪うために集団を集め、銀や金を運び去り、家畜や財産を取り、大いに略奪をしようとするのか』と。」(エゼキエル38:10-13)
エゼキエル書38:13には、イスラエルがいかに豊かな国であるかが記されています。イスラエルは世界有数の農業国ですが、世界有数の先端技術を有する国です。また驚くべきことに油田が発掘されました。そして、ロシア(ゴグ)とその連合軍がイスラエルを攻めるのは、このようなイスラエルの豊かさを分捕り、かすめ奪うためだと記されています。
またここにはロシアとその連合軍のイスラエル侵攻に対して抗議する国々があると言われています。それらの国々とは、まず「シェバやデダンやタルシシュの商人たち」です。これは今のアラビア半島、サウジアラビア、スペインです。次に「すべての若い獅子たち」とあります。これは、イギリスやアメリカのような若い国のことだと言われています。ところが結局のところ、これらの国々は抗議はしても、手出しはせず、黙ってイスラエルが侵攻されるのを見ているだけです。つまり、その頃のアメリカやイギリスは中東での影響力を失っているということなのでしょう。
アメリカは若い国でありながら、あっという間に並ぶもののない超大国として世界の覇権国になりました。それは、ひとつの見方をすれば、イスラエル支援においては決して一枚岩ではないアメリカが、政府内での熾烈な対立の中でイスラエルを支援し続けて来たこと、また世界中に宣教師を送り、世界の福音化に大きな貢献をしたことで神の祝福を得たからではないでしょうか。ところが、多くの教会にリベラリズムが浸透し、伝統的なキリスト教精神が失われるにつれて、聖書に基づく大切な習慣がアメリカ社会から消え去り、それに伴って神の祝福が取り去られてきたようにも見えます。そのために、やがてエゼキエルの預言が成就する頃にはアメリカは力を持たなくなっているのでしょうか。また似たようなことがイギリスにも言えるかも知れません。
続いて、エゼキエル書38:14-16には、神がロシア(ゴグ)の連合軍がご自分の民イスラエルを攻め上ることを許された目的が記されています。
「それゆえ、人の子よ、預言してゴグに言え。神である主はこう仰せられる。わたしの民イスラエルが安心して住んでいるとき、実に、その日、あなたは奮い立つのだ。あなたは、北の果てのあなたの国から、多くの国々の民を率いて来る。彼らはみな馬に乗る者で、大集団、大軍勢だ。あなたは、わたしの民イスラエルを攻めに上り、終わりの日に、あなたは地をおおう雲のようになる。ゴグよ。わたしはあなたに、わたしの地を攻めさせる。それは、わたしがあなたを使って諸国の民の目の前にわたしの聖なることを示し、彼らがわたしを知るためだ。」(エゼキエル38:14-16)
この預言によれば、ロシアの連合軍がイスラエルに攻め上ることを神が許されたのは、これらの一連の出来事を見て、世界中の人々が神を知るようになるためだというのです。
ちょうどそれは、出エジプトの時に神が言われたことに似ています。神はエジプトの王パロの頑なさを用い、敢えてイスラエルが自分たちの力では絶対に乗り越えられない状況を作ることで、そこからイスラエルを救い出し、周りの国々にイスラエルの神こそが本当の神であることを示されたのです。
そのように、いつかロシアは連合軍を率いて、イスラエルを攻撃し、圧倒的な力でイスラエルを占領しようとします。次から次へと軍隊がなだれ込み、イスラエル軍はなすすべがありません。まさにイスラエルは絶体絶命の危機を迎えるのです。では、その結末はどうなるのでしょう? エゼキエル書38:18-23にその結末がこう預言されています。
「ゴグがイスラエルの地を攻めるその日、神である主の御告げ。わたしは怒りを燃え上がらせる。わたしは、ねたみと激しい怒りの火を吹きつけて言う。その日には必ずイスラエルの地に大きな地震が起こる。海の魚も、空の鳥も、野の獣も、地面をはうすべてのものも、地上のすべての人間も、わたしの前で震え上がり、山々はくつがえり、がけは落ち、すべての城壁は地に倒れる。わたしは剣を呼び寄せて、わたしのすべての山々でゴグを攻めさせる。神である主の御告げ。彼らは剣で同士打ちをするようになる。わたしは疫病と流血で彼に罰を下し、彼と、彼の部隊と、彼の率いる多くの国々の民の上に、豪雨や雹や火や硫黄を降り注がせる。わたしがわたしの大いなることを示し、わたしの聖なることを示して、多くの国々の見ている前で、わたしを知らせるとき、彼らは、わたしが主であることを知ろう。」(エゼキエル38:18-23)
このように神はこの出来事を全世界にご自分を知らしめるために用いられます。イスラエルが絶滅の危機に立たされ、世界中がイスラエルの窮地を見守る中、奇跡が起こります。神は大地震を起こしてイスラエルを助けられるのです。さらに、連合軍は同士討ちを始め、また疫病や様々な自然災害、そして火や硫黄(核戦争?)によって全滅するというのです。世界中の人々の予想とは裏腹に、ロシアとその連合軍のみならず、軍隊を送り出した国々までもが滅びてしまうというのです。
こうして、イスラエルは奇跡的な大勝利を収め、世界中が神に守られているイスラエルの姿を見るでしょう。そして、イスラエルは世界中の注目の的になるのです。
こうしてロシア、アメリカ中心の時代は終わり、勝利したイスラエルと残った大国ヨーロッパの時代が来るでしょう。しかし、そこで終わりではありません。これは恐ろしい時代の始まりなのです。
今日の一言: 神の歴史支配に目を向けよう
鶴田健次
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患難時代の前兆(その4)
エゼキエル書38章 の預言(1)
紀元前6世紀ごろに活躍した預言者エゼキエルは、エゼキエル書38章において、イスラエルの未来に関わる世界の情勢を預言しています。その内容は、まるで現在の中東情勢がそのままが書かれているかのようで、将来起こる未来の戦争を次のように預言しました。
「さらに、私に次のような主のことばがあった。「人の子よ。メシェクとトバルの大首長であるマゴグの地のゴグに顔を向け、彼に預言して、言え。神である主はこう仰せられる。メシェクとトバルの大首長であるゴグよ。今、わたしは、あなたに立ち向かう。わたしはあなたを引き回し、あなたのあごに鉤をかけ、あなたと、あなたの全軍勢を出陣させる。それはみな武装した馬や騎兵、大盾と盾を持ち、みな剣を取る大集団だ。ペルシャとクシュとプテも彼らとともにおり、みな盾とかぶとを着けている。ゴルメと、そのすべての軍隊、北の果てのベテ・トガルマと、そのすべての軍隊、それに多くの国々の民があなたとともにいる。備えをせよ。あなたも、あなたのところに集められた全集団も備えをせよ。あなたは彼らを監督せよ。」
(エゼキエル38:1-7)
ここで使われている国名は、メシェクとはモスクワのこと、トバルとはトボリスクのことです。この二つの領域を束ねるのがゴグで現在のロシア、マゴグとは黒海あたりを指します。
また、ペルシャとはイランのことで、クシュは現在のスーダン、プテは現在のリビアを指します。そして、ベテ・トガルマは今のトルコ地方です。
つまりエゼキエルは、終末が近づくと、ロシアとイランとトルコとリビアとスーダンが同盟を組み、ロシアがリーダーとなってイスラエルに攻めると言っているのです。またエゼキエルはそのことを以下のように預言しています。
「多くの日が過ぎて、あなたは命令を受け、終わりの年に、一つの国に侵入する。その国は剣の災害から立ち直り、その民は多くの国々の民の中から集められ、久しく廃墟であったイスラエルの山々に住んでいる。その民は国々の民の中から連れ出され、彼らはみんな安心して住んでいる。」(エゼキエル38:8)
エゼキエルの時代、ユダ王国の首都エルサレムはバビロンのネブカデネザル王に征服され、ユダヤ人たちは捕囚の民としてバビロンに連れていかれました。しかし、バビロン捕囚は70年間で、その後バビロンはペルシャに征服され、ユダヤ人たちはペルシャの王クロスによって解放され、イスラエルに帰還し、エルサレムの壊れた城壁を再建しました。
それから約500年後、イエス・キリストがイスラエルに現れたのですが、ユダヤ人たちはキリストを拒否しました。そして紀元70年、エルサレムはローマ帝国に滅ぼされ、ユダヤ人たちは世界中に散らされていったのです。その後、世界中に離散したユダヤ人たちは行く先々で激しい迫害に遭いながらも死に絶えることなく、またユダヤ民族としてのアイデンティティーを失いませんでした。
18世紀末、イスラエルの土地は荒廃しきっていました。そのような土地をユダヤ人は、オスマントルコの不在地主たちから少しずつ買い取り、開墾していきまし。ユダヤ人にとって安住できる場所は祖国の地しかない考える勇敢な開拓者たちや、ヨーロッパでの迫害から逃れて来る人々によって、エルサレムは少しずつ昔の繁栄を取り戻していきました。そして1948年、イスラエルは再び国を再建したのです。
このエゼキエル書38章8節の預言は、世界中から集められたユダヤ人たちがイスラエルに住んでいることが前提となっています。つまり1948年以前は、この預言は成就し得ませんでした。しかし、聖書の預言通り、イスラエルが国を再建することによって、これらの預言が成就する環境が整ったのです。
今やイスラエルは、久しく廃墟となっていた地に奇跡的な復興を遂げ、さまざまな分野において頭角を現わし、核兵器も保有し、最強の軍隊を持つに至ってます。また、イスラエルに大油田が発見され、欧州に石油を売るためのパイプラインを建設しています。しかし、これはロシアの反感を買う行為です。なぜなら、これまで欧州はロシアから石油を買っていたからです。
アメリカは長年イスラエルと友好関係にあり、イスラエルを支援して来ました。ところが、オバマ政権はイスラエルに対し好意的ではありませんでした。アメリカは、いつの間にか伝統的なキリスト教精神を否定するようになり、資本主義の悪循環に陥りました。その結果、富の一極集中が加速し、1%の人がアメリカ全体の90%の富を持つようになり、今や富を独占するのは0.1%ないし0.01%に集中する事態になっています。
アメリカに代わって中東に台頭してきたロシアは、ソビエト連邦という社会主義の時代に、キリスト教を迫害しました。その結果、社会主義の悪循環に陥り、ソ連は崩壊したのです。そして、一時的にキリスト教が復興すると、国力が増し始めました。今やプーチンのロシアは、中東においてアメリカ以上の存在感を持つようになりました。
2010年から2012年にかけて、アラブ世界では大規模の反政府デモが発生しました。いわゆる「アラブの春」”Arab Spring”です。それにより世界中がアラブ社会にも民主化が訪れると期待したのですが、民主化どころか、かえって激しいさまざまな内戦の始まりとなりました。
またつい最近まで、北朝鮮のミサイル問題が話題となっていましたが、北朝鮮のバックにはイランが、イランのバックにはロシアがいます。ロシアはイランとトルコと手を組み、内戦状態のシリアに拠点を築いています。シリアの首都ダマスカスが落ちれば、イスラエル侵略への道は確保されたも同然です。なぜなら、イスラエルに地上軍を送るためには、ゴラン高原が必要だからです。そのゴラン高原の入口にダマスカスがあります。預言者イザヤは、このダマスカスの崩壊をこのように預言しています。
「ダマスコに対する宣告。 見よ。ダマスコは取り去られて町でなくなり、廃墟となる。アロエルの町々は捨てられて、家畜の群れのものとなり、群れはそこに伏すが、それを脅かす者もいなくなる。」(イザヤ17:1、2)
ダマスカスは今まで廃墟となったことはありませんが、その近郊にある東グータの荒廃を見れば、その気配を感じます。ロシアがシリアの混乱に乗じて、イランやトルコと手を組み、イスラエルの地を征服すれば、世界を支配することも可能です。これもまた時のしるしではないでしょうか。
今日の一言: 終末時代が近づいている
鶴田健次
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患難時代の前兆(その3)
聖書の中には、患難時代の前兆を示す多くの預言がありますが、聖霊に満たされた使徒パウロは神の霊感によってこのように言っています。
物質主義・快楽主義
「終わりの日には困難な時代がやって来ることをよく承知しておきなさい。そのときに人々は、自分を愛する者、金を愛する者、大言壮語する者、不遜な者、神をけがす者、両親に従わない者、感謝することを知らない者、汚れた者になり、情け知らずの者、和解しない者、そしる者、節制のない者、粗暴な者、善を好まない者になり、裏切る者、向こう見ずな者、慢心する者、神よりも快楽を愛する者になり、見えるところは敬虔であっても、その実を否定する者になるからです。こういう人々を避けなさい。」(第二テモテへの手紙3章1ー5節)
もちろん、ここに書かれているような人々はいつの時代にもいました。しかし、ここで言われていることは、終わりの日が近づくと特にこのようなことが顕著になるということです。
事実、近年のモラルの低下は目を見張るものがあります。世界中でここに書かれたような人々がどんどん増え続けています。現代人は自己愛、物質主義、快楽主義に陥っています。また肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢に夢中です。さらに今の時代は、神よりも快楽を愛する人々で満ちています。神を汚すことに恐れを持たない傾向が過去のどの時代よりも顕著です。
特に日本では「神」という言葉をあまりにも安易に使うようになりました。「素晴らしい対応」を「神対応」と言ったり、「あの人はすごい」という意味で「神ってる」と言ったりします。日本人は何の罪意識もなく、神を人間のレベルに引き下げることを平気でします。これも時のしるしです。
偽教師・空想話
また使徒パウロはこのように預言しています。
「というのは、人々が健全な教えに耳を貸そうとせず、自分につごうの良いことを言ってもらうために、気ままな願いをもって、次々に教師たちを自分たちのために寄せ集め、真理から耳をそむけ、空想話にそれて行くような時代になるからです。」(第二テモテへの手紙4章3-4節)
近年のキリスト教会では、非常に困ったことが起こっています。キリストの福音の真理が語られず、牧師が人の好みに合わせた説教をしているのです。この世の成功や繁栄の話が好まれ、神の正義や裁きや罪といった話は不人気なので、人々の好む話だけをするのです。ついには聖書の教理を否定する牧師も出てきました。
同性愛を公然と認める牧師もいます。また神はそれぞれの宗教を通してご自身を現わしておられるという聖書に反することを教える牧師もいます。彼らは柔和で敬虔そうに見えても、聖書の教理を否定する者たちです。
今や教会が腐敗を止める地の塩の役割を果たせない時代が来たのです。背教が起こり、教会が堕落することは、聖書に預言されています。教会が堕落する結果、世界の腐敗は加速度を増すことになるのです。これもまた時のしるしです。
また、マンガ、アニメ、映画、ゲーム、バーチャルリアリティなどの空想話は、人間の作った空想で、実際には存在しないものです。しかし、現代人の多くがこれらの空想話に喜んで時間とお金を使います。この世の悪は、若者たちを空想遊びに夢中にさせます。その結果、彼らは時間を忘れて空想話に熱中し、大切な事に目を向けようともしません。まるで惑わされた者のように真理から目を背け、嘘やまやかしに夢中になっているのです。
また企業は金儲けのために空想話を次々に作り出し、人々はそれが嘘だと知りながら、それらの熱狂的な支持者になります。人々は空想で罪を犯すことは罪ではないと思っていますが、それは大きな間違いです。心の中で犯した罪は人を病ませ、いずれ滅びをもたらすのです。
さらに、一昔前までは悪役であった「獣」「竜」「悪魔」は、今や空想話の中では主役の座に就き、若者たちはそれらをヒーローとして讃えるのです。それはまるで世界中の若い世代が、反キリストである「獣」と、悪魔である「竜」の受け入れ準備をしているかのようです。
モラルの逆転
「ああ。悪を善、善を悪と言っている者たち。 彼らはやみを光、光をやみとし、苦みを甘み、甘みを苦みとしている。」(イザヤ書5章20節)
かつて悪とされたことは、今や善となり、善は悪とされています。モラルの逆転が始まっているのです。特に近年顕著なのは同性愛です。
創世記にある「ソドムとゴモラ」の物語は、全世界に対する神の警告です。ソドムとゴモラは、性的に堕落した町でした。神はその町を裁き、天から火を下して滅ぼされました。
ここ数年で、同性愛に対する見方がメディアによって塗り替えられてきました。同性愛に対して否定的な人は、差別主義者のように扱われようになりました。毎日のように、同性愛を肯定するドラマやニュースが流されています。なぜメディアは同性愛問題を特別扱いで伝えるのでしょうか。同性愛を広めることに、なぜこんなにも世界の主要メディアが躍起になっているのでしょう。
かつてはどの国でも同性愛は密かに行われていて、公には出せない罪として認識されていました。それを罪だとはっきり明文化しているのは聖書だけです。聖書によれば、同性愛は罪です。罪とは的外れを意味し、異常なことを表します。同性愛は人として与えられた性の役割を否定している点で異常なのです。しかし、この異常なことを正常なことに置き換える考え方が、今世界中で広まっているのです。 これも時のしるしです。
「これらのことが起こり始めたなら、からだをまっすぐにし、頭を上に上げなさい。贖いが近づいたのです。」(ルカの福音書21章)
「産みの苦しみの初め」に起こるこれらの前兆を見たら、クリスチャンは頭を天に向けなさい、とキリストは命じています。なぜでしょうか。教会の贖い(携挙)が近づいているしるしだからです。
2010年頃から、急激に患難時代の前兆が顕著に見られるようになったと思います。戦後70年が過ぎ、戦後世代も高齢化し、戦争を知らない世代が主導権を得て、世界を動かし始めました。そして、世界の悪は増大し、まさにノアの時代のようになってきました。
今日の一言: 今や多くの「時のしるし」が見られる時代になった。
鶴田健次
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患難時代の前兆(その2)
イエス・キリストは、十字架にかかる前に、弟子たちに終末時代の前兆について、次のように預言されました。
「そこで、イエスは彼らに答えて言われた。「人に惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名のる者が大ぜい現われ、『私こそキリストだ。』と言って、多くの人を惑わすでしょう。また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。」(マタイ24:4-8)
偽キリストが現れる
キリストは、世の終わりが近づくにつれ、自らを再臨のキリストであると主張する「偽キリスト」が大ぜい現われると預言されました。実際、その預言通り、ヨーロッパでもアメリカでも、また韓国や日本でも、数多くの「偽キリスト」が現われ、自分こそが再臨のキリストだと主張しました。
しかし、当然のことですが、誰一人として再臨のキリストが行われることをした者はいません。そればかりか、やがて皆死んでいきました。本物のキリストは再臨ののち、反キリストとその同盟軍の攻撃からイスラエルを救い出し、地上にメシヤ王国を打ち建てられるのです。聖書預言をよく知っていれば、偽キリストは簡単に見破ることができます。
戦争と戦争のうわさを聞く
二回に渡る世界大戦を経験し、世界の指導者たちは何とか戦争を回避しようとしてきましたが、近年になって、世界はアフガン紛争、同時多発テロ、イラク戦争、リビア内戦、ソマリア内戦、カセセ衝突、マリ北部紛争、M23による反乱などを経験し、さらに戦争や戦争のうわさが数多くメディアを通して流れるようになりました。
また未だに続くパレスチナ問題とテロ戦争、さらに現在進行中のシナイ反乱、シリア内戦、スーダン紛争、中央アフリカ紛争、バトワ‐ルバ紛争、イラク内戦、ウクライナ内戦など、この他にも数多くの内戦・紛争・衝突が起こっています。
しかし、これらはまだ産みの苦しみの初めで、7年間の患難時代が来れば、世界は二度にわたる世界大戦を経験することになっています。それに関する黙示録の預言によれば、二度の世界大戦で世界人口の半分が死ぬことになっています。実際、現在の武器のレベルはSFレベルになりつつあり、世界大戦が起きれば、第二次世界大戦(死者7500万人)の数十倍の被害が出ることは明らかです。
大地震、疫病、ききん
上記のキリストの預言に関し、弟子のルカはキリストの言葉を以下のように記録しています。
「大地震があり、方々に疫病やききんが起こり、恐ろしいことや天からのすさまじい前兆が現われます。」(ルカ21:11)
地震はいつの時代にもありましたが、特に21世紀に入ってから、世界中で地震の急増が見られます。東日本大震災、熊本地震など、大規模の地震が頻発していますが、それは日本だけではありません。世界的な地震の増加傾向があるのです。
火山の噴火も世界的に増加しており、その被害も大きくなっています。日本でも毎年どこかが噴火しています。環太平洋造山帯の噴火も増え、活動が活発になっています。近年の地震の増加はもはや誰の目にも明らかです。これも時のしるしのひとつです。
また、疫病も世界的な問題です。医学の発達により多くの疫病を根絶してきましたが、20世紀に入ってからも、エイズ、エボラ出血熱、殺人インフルエンザなど、次々と新たな疫病が起こっています。
さらに世界の至る所で飢饉が起こっています。異常気象や土壌汚染などで、以前よりも穀物が育たなくなっています。最近の異常気象は、かつてのものとは質が違います。熱波と寒波の繰り返しが毎年起こり、水不足の地があれば、洪水の地もあります。気候が急変し、動植物の絶滅や減少が大きな問題となっています。文明の発達が土地を汚し続けてきた結果です。
日本に飢饉が見られないのは、今は海外から食料を優先的に買える国だからです。しかし、世界は飢え始めています。もし食料自給率の低い日本の食料輸入が止まったら、たちどころに飢饉がやって来ます。今はまだマーケットに行けば山のような食料がありますが、それは世界的に見れば非常に稀な状況なのです。豊かさに慣れた日本が急に貧しくなる時、人々はどうなることでしょう?
今日の一言: 世界の実態を聖書預言に照らし合わせて見てみよう。
鶴田健次